就業規則
就業規則とは
就業規則とは、会社や社員が守るべき規則を定めたもので、会社の秩序を維持し社員が
安心して働ける環境を整え、効率的に会社を経営するためのものです。
また、残業問題や問題社員の解雇、過労死や情報漏洩など、これらの問題は甘く見ていると
会社の存亡を揺るがす大きな問題に発展します。
そういった際にも唯一、会社を守れるのは就業規則だけです。
労働基準法では常時10人以上の労働者を使用する場合に就業規則の作成義務が発生します。
一般的に就業規則を作成する必要性を尋ねると『社員が10人以上になったから』と
いう事業主様が非常に多いです。
また、他の社労士との話でも『従業員が10人以上になったら就業規則を作成する
必要があります』と答える社労士もとても多いです。
しかし、考えてみて下さい。10人以上だから社内のルールが必要なのでしょうか?
では、9人の会社では社内ルールは必要ないのでしょうか。
そんなことはないはずです。社員が1人でもいれば会社のルールができるはずです。
たしかに有志が集まって創業した会社は当初は皆が同じ志のもと仕事に取り組んでいるので、
そんなルールを明文化する必要はないのかもしれません。
しかし、その後1人2人と新しいメンバーが増えた時やその後の方向性が変わってきた
場合には、暗黙のルールは通用しなくなり、無秩序な集団になってしまいます。
そうなると今まで同じ志を持ったメンバーのモチベーションにも影響が出て結果として
収益の上がらない組織となってしまいます。
ですから、従業員を1人でも雇うのであれば会社のルールブックとしての就業規則を作成する
ことをお勧めします。
また、その際には会社(事業主)としての理念や価値観といったものを明確にすることが重要です。
どうして就業規則が必要なのか?
企業が強い組織として勝ち残り続けるためには、その会社に即した就業規則を定めることが
絶対に必要です。
先にも述べましたが、就業規則とは労働時間や休日、賃金などの労働条件やその会社の
従業員として守るべきことを定めたルールブックです。
会社は様々な個性を持った従業員の集まりなので、いろいろな問題が起こります。
◆何の相談もなく突然長期の有給休暇を取る人
◆毎日のように遅刻してくる人
◆上司に反抗的な態度をとったり
◆やる気のない言動で周囲のモチベーションを下げる人...etc
もし、こういった問題社員が出た時に就業規則というしっかりとしたルールがない中で
処分したりすると反対に会社が訴えられる危険性もあるのです。
実際に従業員とトラブルになり、数百万円から数千万円の支払い命令が出ることは
珍しくありません。
様々な個性を持った従業員が集まる組織では、従業員の価値観を統一させ、
きちんとルールを守る環境を整備することで職場の雰囲気も良くなり、従業員の
モチベーションアップにも効果があがります。